新版画は浮世絵の技術を元に
発展してきた独自の制作方法と技術で
素晴らしい作品の数々が生み出されてきました。
そんな新版画の歴史や作品について
理解が深められる展示会が開催されます。
◆ THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦 ◆
会期:開催中~11月6日(日)
休館日:月曜日
開館時間:10時~17時
観覧料:一般800円/大学生600円/市内在住65歳以上400円
会場:茅ヶ崎市美術館 展示室1・2・3
https://www.chigasaki-museum.jp/exhibition/6861/
江戸時代に確立された浮世絵木版画(錦絵)は明治以降の西洋の写真や
印刷技術導入の影響で衰退の一途をたどっていました。
その中で、あえて伝統的な絵師、彫師、摺師による分業体制の
浮世絵木版画技術を使い、高い芸術性を意識した
同時代の画家による取り組みが、「新版画」の始まりとされています。
これを牽引したのが渡邊版画店の渡邊庄三郎さんでした。
渡邊庄三郎さんは17歳で浮世絵商・小林文七の輸出の出店(横浜店)に勤め
そこで出会った浮世絵の、とりわけバレンで摺る木版画特有の美しさに魅了され
木版画の復興と新しい木版画制作を志します。
その後独立し、明治42年(1909)に東京・京橋に渡邊版画店を構え
浮世絵研究と販売を行うかたわら、大正4年(1915)から、
来日した外国人画家の作品の版画化を試み、鏑木清方門下生を中心とした
新進気鋭の画家たちを絵師に起用します。
絵師、彫師、摺師の協業のもと、高品質な材料を用い
それまでにない複雑かつ華麗な彩色に「ざら摺り」など手摺りならではの
技法を駆使するなど、庄三郎の創意工夫と優れた審美眼に支えられた
新たな「浮世絵木版画」を世に送り、昭和の初めに国内外で巻き起こる
“新版画ブーム”の火付け役となりました。
今回、茅ヶ崎市美術館にて、そんな新版画を世に送った渡邊庄三郎さんの
挑戦の軌跡をたどりながら、モダンな精神に彩られた瑞々しい表現の魅力を
紹介する展示会が開催中です。
色鮮やかな作品や現代の写真にも通じるような構図など
浮世絵だけでなく、新しさをたくさん取り込んだ
作品の数々を楽しむことができますよ。
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