【Book】第16回日本自費出版文化賞

コンシェルジュ・バミは、いわゆる商業出版に

関するお仕事もさせて頂いているのですが

先日、それと対をなす自費出版に関する

賞の決定がありました。

◆第16回日本自費出版文化賞

 

☆コンシェルジュ・バミのものしりになれる?!メモ☆

日本自費出版文化賞とは?

自費出版データの蓄積・公開活動と連動するとともに

人々の目に触れにくい自費出版に光を当て

著者の功績を讃え、自費出版の再評価・活性を促進するもの。

という取り組みです。

 

今年の応募総数は642点

多いような少ないような・・・

応募総数だけを見ると

商業出版の100分の1の規模ですが

未応募のものを合わせると

数千点規模はありそうですね。

【応募点数】

・地域文化部門  83

・個人誌部門  112

・小説部門  99

・エッセー部門  111

・詩歌部門  89

・研究・評論部門  88

・グラフィック部門  60

合計   642

 

 

【選考結果】

大賞

 

第16回日本自費出版文化賞 (7)

 

吉田昭二さん(京都市)

『城州古札見聞録』(地域文化部門)

選考理由:ほとんど見ることのできない貴重な

江戸から明治にかけて流通した古札・古紙幣を

時間をかけて収集・記録し、カラー印刷で出版した大変な労作。

ていねいな解説も書かれていて著者の情熱が伝わってくる。

 

 

 

◎地域文化部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (6)

『武相近代史論集-八王子・津久井を中心に-』

(沼 謙吉さん・東京都)

地味ながら地域の歴史の篤実な記録。

キリスト教の伝播を通しての被差別部落の

歴史や自由民権運動の流れなど郷土史家の労作。

 

 

 

 

◎個人誌部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (5)

『私の父はノーノーボーイだった -日系人強制収容に抵抗した父の記録』

(川手晴雄さん・東京都)

太平洋戦争下のアメリカで「米国への忠誠」を誓わなかった

日系アメリカ人の労苦の歴史を2代に渡り描いた。

不明だった実態がわかる貴重な記録。

 

 

◎小説部門賞

『遥かなり三宅島-吉田松陰「留魂録」外伝-』

(永冨明郎さん・埼玉県)

選んだ中で群を抜いて面白く、感動した作品。

歴史的な背景もよく書かれている。

著者は吉田松陰の研究ではいくつか著作を出しているが

小説は初めてということだがこれも驚き。

 

◎エッセー部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (4)

『e love smile ~いい愛の笑顔を~ memory.1』

(島田妙子郎さん・大阪府)

コミック調の軽い文章だが、内容は両親からの

虐待を受け続けた3人兄弟の物語。

テーマとしては、人間のこころの闇のようなものが

渦巻いているのに明るい文体。

他のエッセイとは異質だが、自己主張の表現として、

初のエッセー部門としてふさわしい。

 

 

◎詩歌部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (3)

『アフリカ詩集』

(登坂雅志さん・茨城県)

ほとんど日本には知られていない

アフリカ在住の詩人たちの翻訳詩集。

日本の現代詩が精緻になりすぎるなかで、

この詩集はおおらかなアフリカの大地を感じさせる。

 

 

◎研究評論部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (2)

『銅鐸ノート 雷神の輝く日々』

(長尾志朗さん・岐阜県)

銅鐸に描かれた線画の意味を追求する研究書。

専門家ではできにくい大胆な仮説をもとに、

さまざまな科学の成果を取り入れて、

雨乞いの祈りのための文様だと結論するが、

自然にこれが納得させられる。

 

 

◎グラフィック部門賞

第16回日本自費出版文化賞 (1)

『榮之祐物語-父と母と私の介護日記』

(泉谷久美子さん・大阪府)

家族ぐるみの介護を4コマ漫画で描くという試み。

1年1冊で、全5冊。

なかには全員がパンダになっている巻もあり、実にユニーク。

私小説として読んでほしいとかかれているが、

とても好感の持てる作品。

 

 

 

【特別賞】5点

『樺太、わが心の故郷』

(工藤敏行さん・大阪府)

戦前に過ごしたサハリンのことを多数の証言で構成。

沖縄だけではなく樺太でもソ連軍との戦いが

あったことを知ってもらいたいという執念を感じる。

 

『上の下か 下の上か』

(藤井源弘さん・愛知県)

絵画で描いた自分史。詳細な歴史年表を作って、

世界史の中で自分をどう位置づけるかを模索するなど、

こういう形の記録がでてきたことは驚き。

 

『アムール川端のノロ』

(丁 路さん・兵庫県)

外国人(中国)の方の小説が賞になるのは初めてではないか。

文化大革命で下方、辛酸をなめるが、苦労話でなく、

ひとりの人間の成長物語になっている。

 

『回文平家物語』

(徳永未来さん・兵庫県)

上から読んでも下から読んでも同じという回文。

これで平家物語の内容やエピソードを創作した。

10行に渡るものもあり、実にユニークな詩集といえる。

 

『水上の狩人 ミサゴ大全』

(平沢 修さん・香川県)

英語名でオスプレィ。

このタカに見せられた著者が、

よく撮れたと思うようなチャンスをとらえ、

美しい映像美になっている。

 

 

 

読書の秋も近いことですし、知られざる名作を

探してみるのも良いですね☆

 

 

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