【アート】第 17 回 文化庁メディア芸術祭受賞作品展

今日春節ですが、全国的に冷え込んで

都内でも雪の予報で・・・。

気分だけでも春うらら・・・でいきましょう☆

 

今年もこの季節がやってきました!

 

 

第 17 回 文化庁メディア芸術祭受賞作品展

会期:2月5日(水)~2月16日(日)

メイン会場:国立新美術館

※ 2 月 12 日(水)休館

10:00 ~ 18:00(金曜は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで

サテライト会場(予定):

東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9-7-1)

シネマート六本木(東京都港区六本木3-8-15)

スーパー・デラックス (東京都港区西麻布3-1-25 B1F)

入場料:無料 ※全てのプログラムは参加無料です。

実施内容:

作品展示/上映会/マンガライブラリー/パフォーマンス/ トークイベント/ワークショップ/ガイドツアー 等

◎世界84か国・地域の4,347作品から選ばれた作品、約120点を一堂に紹介。

◎同時代に創造された多様なジャンルの作品を横断的に見ることができる。

◎充実した上映プログラムにより、拡張し続ける現在の映像表現を 俯瞰して見ることができる。

◎会期中には、トークイベント、パフォーマンス、ワークショップ等 約40のプログラムを開催。

◎テクノロジーの進化によって変わりゆく、同時代の芸術表現を体感できる。

http://j-mediaarts.jp/?locale=ja

 

 

今年のマンガ部門の受賞作品は・・・

マンガ部門:大賞

第 17 回 文化庁メディア芸術祭受賞作品展

©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/SHUEISHA

 

ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part8―

荒木 飛呂彦氏

©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/SHUEISHA

作品概要

M県S市杜王町。震災で隆起してできた土地である通称「壁の目」で、一人の青年が発見された。記憶を失っていた彼は「東方定助」と名づけられ、さまざまな手がかりを元に自らの素性を探る。東方家の秘密と思惑、杜王町で起きた過去の事件、定助の素性をたどる重要な手がかりとなる「吉良吉影」なる人物……さまざまな謎に定助は巻き込まれる。緻密なストーリー構成、超能力を目に見える形で表現することでマンガ表現に革命をもたらした概念“スタンド”によるバトルに加え、サスペンスにも更なる磨きをかけ、多くの読者を惹きつけた。連載28年目を迎えた「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの第8部。

『ウルトラジャンプ』連載開始:2011年6月号〜連載中

 

贈賞理由

人気のエンターテインメント作品であるというだけでなく、マニエリスティックとも評される個性的なヴィジュアル、奇想に支えられたトリッキーな演出、「少年マンガ」というジャンルにおけるコマ割り表現の可能性の追求、そして「人間讃歌」と称されるテーマ等で、人々を魅了し批評的な言説を含む豊かな語りに迎えられてきたシリーズの最新作である。今回の大賞は、本作のような充実した作品にメディア芸術祭が贈賞する機会を得た年次として記憶されるだろう。また本作は、東日本大震災を、作家が長年に渡り築き上げてきた壮大な物語世界に取り込んでいる。物語的な想像力を凌駕する巨大な現実に対し、虚構の側から怯むことなくアプローチし、そのうえで現実の側に差し戻すという困難を成し遂げていると言うことは許されるだろう。荒唐無稽に見える虚構を介することによって到達しうる水準があることを示し、あらためてマンガ表現のもつ「力」を認識させた作品である。(伊藤 剛)

受賞者コメント

このたび、大変に名誉ある賞を頂きまして心から感謝致します。 『ジョジョリオン』は集英社『ウルトラジャンプ』において、2011年から連載をさせて頂いておりますが、1987年より連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部に位置する作品になります。描き始めて27年経って、文化庁メディア芸術祭賞で認めて頂けたことは、誠に光栄に思います。ちょっとずつ描いていると良いこともあるのだなあと、個人的に苦しかったことや大変だったことも思い出し、感慨無量です。このたびの機会を励みに、編集部やうちの仕事場のスタッフたちと共に、今後もマンガ読者の皆さまにより一層楽しんで頂けるような作品を描けるよう精進していきたいです。また社会のために、どういう形であれ、少しはお役に立てるような作品となれるなら、日本人として、マンガ家として、本当に幸せなことだと思います。

 

 

 

マンガ部門:優秀賞

 

昭和元禄落語心中

雲田 はるこ氏

©Haruko Kumota/Kodansha

作品概要

昭和を舞台に、噺家のいとおしき素顔を、絡み合う人間模様とともに鮮やかに描き出した作品。物語は、孤高の大名人「有楽亭八雲」と、そこへ押しかけ弟子入りした刑務所帰りのやんちゃ坊主「与太郎」、そして今は亡き「八雲」の盟友で“稀代の名人”と謳われた「助六」の忘れ形見であり、親を失ってからは八雲に育てられてきた「小夏」の、3人による奇妙でおかしな同居生活から幕を開ける。弟子など一切取らなかったはずの「八雲」が突然「与太郎」を受け入れた理由や、「小夏」が「八雲」に募らせる激しい憎悪の背景といった深まる謎、若かりし「八雲」と盟友「助六」が落語に没頭してゆくさまを描く回想シーンも見どころである。圧巻の人間描写と、首筋がじっとり汗ばんでくるかのような臨場感溢れる落語シーンも魅力のひとつとなっている。 『ITAN』 連載開始:2010年3月25日発売号~連載中

【贈賞理由】

落語をテーマにしたマンガは成功例が非常に少ない。噺を絵解きすれば古臭いし、落語界を描けば野暮でコソバユイ。落語という「語り芸」を、マンガという「もう一つの語り芸」で見せるのは至難の技なのだ。しかし、本作第1巻の表紙を見たとき、「ひょっとしたら、これは……」という予感に襲われた。黒バックに冴えない表情の初老の噺家。そのあまりにも地味でどうしようもない男とともに描かれた一本のロウソクに、和ロウソクらしく「朱」が“さりげなく”入っている。それが、この「噺家」の渋さと粋と色気、歩んで来たであろう人生さえも匂わせているのだ。これまで観てきた数多くの「落語マンガ」が描き落としてきたものはこれなのだと思った。作者はBL(ボーイズ・ラブ)マンガの世界がホームグラウンドらしいが、この『昭和元禄落語心中』は間違いなく彼女の代表作のひとつになることを確信する。六代目三遊亭圓生がモデルらしい師匠、「八雲」の薄暗いキャラは絶品である。(みなもと 太郎)

 

 

雲田 はるこ氏  KUMOTA Haruko

栃木県出身。マンガ家。
2008年、『窓辺の君』(東京漫画社)にてデビュー。

 

 

 

 

 

 

それでも町は廻っている

石黒 正数氏

©Shonen-gahosha Co., Ltd.

作品概要

東京の下町・丸子商店街を舞台として、女子高生「嵐山歩鳥」を主人公に、一見平凡だが、一風変わった日常を描く。メイドカフェならぬメイド“喫茶”「シーサイド」のメイドさん、探偵志望の女子高生、商店街の看板娘、少し頼りない姉……と多くの顔を持つ「歩鳥」。「歩鳥」がメイド喫茶でのアルバイト中に難事件を解決するドタバタ活劇をはじめ、「歩鳥」の先輩かつ親友「紺センパイ」が語る不思議な話や、「歩鳥」の弟で小学生の「タケル」とその彼女「エビちゃん」のエピソードなどが読みきり連作形式でつづられる。商店街、学校、家族の仲間が織りなすコメディー仕立ての連載は100回を超え、コミックは11巻が刊行されている。SFチックな話から涙を誘う人情ものの浪花節まで、幅広い作風が楽しめる作品。 『月刊アワーズ』 連載開始:2005年5月号~連載中

 

 

©石黒正数/少年画報社

【贈賞理由】

「センス・オブ・ワンダー」を大切にしている作家である。『ネムルバカ』で描いた青春の鬱屈と爆発、『外天楼』で見せた探偵趣味と構造物への偏愛、『響子と父さん』で焙り出した微妙な家族関係・人間関係。さらに、SF短編群における奇抜な着想や、連載中の『木曜日のフルット』における斬れ味鋭いギャグ。何らかの「ワンダー」のある個々の作品もこれまで評価が高かったが、2005年から連載中の『それでも町は廻っている』は、作者の美点がすべて揃っている、押しも押されもせぬ代表作である。大げさな事件や個人のトラウマを描かずとも、ドラマは描ける。愛すべき日常と人々のつながりは描ける。藤子・F・不二雄やちばてつやの作品群がもっていた、ヒマワリが太陽に向かって咲くような「向日性」といおうか、「明朗さへの志向」を本作で実現していること、水準以上の密度と面白さのエピソードを連載で毎回積み重ねていることが、審査委員全員の高い評価を受けた。(斎藤 宣彦)

 

 

石黒 正数氏  ISHIGURO Masakazu

1977年生まれ、福井県出身。2000年、短編『ヒーロー』で作家デビュー。05年から『それでも町は廻っている』の連載開始。同作は10年に、新房昭之総監督の手によりテレビアニメ化された。『ネムルバカ』『木曜日のフルット』『外天楼★げてんろう★』など、精力的に幅広いジャンルで作品を発表している。

 

 

 

 

ちいさこべえ

望月 ミネタロウ氏/原作:山本 周五郎氏(日本)

©Minetaro Mochizuki /Shugoro Yamamoto 2013

作品概要

『ドラゴンヘッド』『東京怪童』などで高い評価を受け、作品ごとに新たな挑戦を続けてきた望月ミネタロウが、原作付きに挑んだ意欲作。山本周五郎の時代小説『ちいさこべ』を、舞台を現代に移し新解釈を加えて描く。火事で実家の工務店「大留」が焼け、両親を亡くした若棟梁「茂次」。「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父「留造」の言葉を胸に、「茂次」は大留の再建を誓う。そこに、身寄りのないお手伝いの「りつ」、そして行き場を失った福祉施設の子どもたちが転がり込んでくる──。髭もじゃの若棟梁が家業を継ぐことから始まるヒューマンドラマ。 『小学館ビッグコミックスピリッツ』 連載開始:2012年40号〜連載中

 

 

©望月ミネタロウ・山本周五郎/小学館

【贈賞理由】

山本周五郎の時代小説『ちいさこべ』は文庫で70ページの中編で、映画・舞台・テレビドラマ化されてきた代表作のひとつ。火事で父母を喪い家業再興に奮起する若棟梁の茂次だが、周囲に助力を仰がない。その依怙地さはどこからくるのか。また、幼馴染との三者関係はどうなってゆくか……。完結した原作はあるが、今後もマンガ版の「語り口」への期待は大きい。物語は静かに語られ、唐突なクローズアップの挿入や不思議なリズムの行動描写など、望月版は自在な演出が光っている。望月の前作『東京怪童』は少年少女たちの「ただならぬ気配」に満ちていたが、本作でも、「りつ」が引き受けた子供たちは得体のしれないところがある。彼らとの絡み(原作では終盤まであまり描かれない)には主人公たちの「人情と意地」や「やるせなさ」が滲み出てきており、作品の大きな魅力となっている。今となっては廃れていそうな言葉だが、「市井の人々の哀歓」を、現代ドラマとして描くに秀逸と、審査委員の見解が一致した。(斎藤 宣彦)

 

 

望月 ミネタロウ氏  MOCHIZUKI Minetaro

1964年生まれ。神奈川県横浜市出身。『ドラゴンヘッド』で第21回講談社漫画賞(97年)、第4回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞(2000年)。他の作品に『バタアシ金魚』『バイクメ~ン』『座敷女』『鮫肌男と桃尻女』『東京怪童』など。

 

山本周五郎氏  YAMAMOTO Shugoro

1903〜67年。山梨県出身。作品に『日本婦道記』『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』他多数。

 

 

 

 

ひきだしにテラリウム

九井 諒子氏

©Eastpress

作品概要

ウェブ文芸誌での連載を経て、著者の3冊目の単行本となった本作は、最短で2ページ、最長でも11ページという、コンパクトなページ数で完結する作品を集めたショートショート・コミック。年に一度の“龍猟”を習わしとしている里山で龍料理を食す『龍の逆鱗』、長い冬が続く村の一人の青年が春を探して森を歩く『湖底の春』、「まる」「さんかく」「しかく」を料理して食べる過程を描く『記号を食べる』、人間誰もが物語の主人公として生まれ暮らす世界の『ショートショートの主人公』、架空国家についての中学生たちの話し合いが展開していく『遠き理想郷』、とある生物の進化の過程を描いた『生き残るため』など、全33篇を収録。コメディ、昔話、寓話、ファンタジー、SFなどさまざまな発想を、少女マンガ風や劇画調のタッチも織り交ぜての多彩な絵柄で描きあげる、千変万化の掌編集。 『WEB文芸誌マトグロッソ』 連載開始:2011年8月~連載終了:2012年12月

 

 

©九井諒子/イースト・プレス

【贈賞理由】

2011年から12年にかけて短編集『竜の学校は山の上』『竜のかわいい七つの子』が続けて刊行され、ファンタジーを現実に引き寄せる手法、時代や舞台設定の自在さで読者に驚きを与えた著者。13年には、さらに1冊に何と33ものショート・ショートが詰まった単行本『ひきだしにテラリウム』が刊行された。「もし○□△などの記号が食べ物だったら……」「エッセイマンガとそのマンガの現実を、絵柄を変えて描いたら……」といったテーマに応じて巧みに変化する画調を含め、短くとも変わらないどころかより濃くなった創作意欲あふれる内容で、読者に嬉しい驚きを与えた。そこには脳みそを直接揉みしだかれるような快感がある。それ以前にも同人誌やお絵かきSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「pixiv」、自身のウェブサイトなどでの創作活動があるとはいえ、商業単行本で3冊目というキャリアは新人賞でもおかしくはない。だが、続けて発表された作品群のまさに「優秀さ」が、優秀賞にふさわしいと判断された。(ヤマダ トモコ)

九井 諒子氏  KUI Ryoko

マンガ家。2011年3月『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。同年8月より『WEB文芸誌マトグロッソ』(イースト・プレス)にて掌編連作『ひきだしにテラリウム』を連載。『Fellows!(現・ハルタ)』誌上でも作品を発表、2012年10月『九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』刊行。

 

 

☆コンシェルジュ・バミのものしりになれる?!メモ☆

文化庁メディア芸術祭とは?

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガ

の4部門において優れた作品を顕彰するとともに

受賞作品の鑑賞機会を提供する

メディア芸術の総合フェスティバルです。

[第17回]は、過去最多となる

世界84の国と地域から4,347点の作品の応募がありました。

 

 

世界から多数のアートが集まっています☆

ぜひ、足を運んでみてください♪

http://j-mediaarts.jp/?locale=ja

 

 

(c)2013 Japan Media Arts Festival

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