タイルを「メディア」として着目した
面白い展示会が来週から開催されます☆
これは、イマジネーションを刺激されること間違いなしですね!
◆◆◆タイルが伝える物語 ~図像の謎解き~ 展◆◆◆
Stories Told by Tiles ~Understanding Icons~
会期:12月4日(木)~2015年2月21日(土)予定
休館日:水曜日、年末年始
会場:東京都中央区京橋3-6-18東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA2F
時間:10:00~18:00
入場料:無料
http://www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_002909.html
室内外を華やかに飾るタイルは
耐久性があり、量産も可能なため
古くより世界でさまざまな文様が生み出され
かつ身近な建材として発展しました。
本展では、タイルの装飾性だけでなく
大衆へのメッセージを含んだ
「メディア」としての機能に着目し
描かれた文様の意味や物語を読み解きます。
19世紀イギリス 陶板「ダラム大聖堂」
イングランド東北部ダラム州に1093 年に創建され
現在もキリスト教信仰の中心地と しての地位を保っている。
20世紀イギリス 単彩レリーフタイル「レディ・ハミルトン」
18世紀後半に実在したエマ・ハミルトン(1765-1815)を
当時の画家ジョー ジ・ロムニー(1734-1802)が描いた
肖像画をもとに制作した単彩レリーフタイル
世界のタイル博物館収蔵
17~20世紀中国 染付陶板「桃源図」
桃源郷への旅を主題とした図柄
世界のタイル博物館収蔵
土を焼いて作られるタイルは人類の文明とともに発祥し
古来、様々な国と地域で建築を豊かに彩ってきました。
古くは古代メソポタミアの神殿の壁を円錐形のやきもので装飾し
エジプトのピラミッドでは、ファラオの魂に捧げる空間の壁一面を
トルコ石の色をした美しいタイルで覆い、飾りました。
2014年9月 大阪会場写真 撮影:南野 馨氏
時代が進むと、かつて神聖な建築や空間を飾ったタイルは
次第に人々の暮らしのなかで使われるようになり
壁や床を装飾するだけでなく、視覚的イメージを
共有するためのメディアとしての機能を持ち始めます。
いち早くタイルの普及をみた17~18世紀のオランダでは
聖書の一場面を描いたタイルを壁や暖炉に張り
それを子どもに見せながら、家庭で宗教教育を施しました。
中国やイスラーム諸国では、教訓や理想を描いたタイルが数多く作られ
19世紀のイギリスでは、豊かな暮らしを謳歌する人々が
当時獲得した新しい文化を思いおもいに発信するための
メディアとなるなど、人々の身近にあるタイルが
メッセージや物語を伝える役割を担うようになったのです。
2014年9月 大阪会場写真 撮影:南野 馨氏
本展では、INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」に収蔵する
紀元前から近代までの装飾タイルコレクションをひも解き
これまでにない「物語や教訓、信仰、文化を発信するメディア」
という観点から選び出したタイル約70点を
描かれた物語やメッセージとともに紹介します。
それらのタイルを通じ、国や地域によって異なる
様々な生活文化をも読み取ることができます。
2014年9月 大阪会場写真 撮影:南野 馨氏
【見どころ】
①西洋のタイルから
家庭で行われていた宗教教育や当時の生活文化が垣間見られるタイル31点を展示します。
②中国のタイルから
染付陶板や漢代の画像石をモチーフにした陶板などを含めた23点を展示します。
③イスラームのタイルから
詩人ニザーミーが詠んだ長編ロマンス叙事詩「ホスローとシーリーン」や
美男の預言者ユースフとエジプト高官の妻ズライハの恋を描いた
「ユースフとズライハ」など15点を紹介します。
聖書「ハガルの追放」の場面を描いたマンガン彩組絵タイル
オランダ、19世紀 世界のタイル博物館収蔵
(c)LIXIL Corporation.