【イベント】暗闇の音のキオク×富山清琴[人間国宝 地歌・三絃]

暗闇イベントが流行っていますが

こんな芸術鑑賞はいかがでしょうか。

 

暗闇の音のキオク×富山清琴[人間国宝 地歌・三絃] (2)

「すみだ北斎美術館」

平成28年度開館・プレ特別記念企画

─江戸すみだ発 北斎感覚─

暗闇の音のキオク×富山清琴[人間国宝 地歌・三絃]

【公演情報】 日時:10月5日(日)

時間15:00開演(14:30開場)

会場:すみだトリフォニーホール 小ホール

曲目《コンサート&レクチャー》

江戸時代の薄明かり、暗闇で聴く

「三吉(さんきち)」(繁太夫物)

「残月」(峰崎勾当作曲)

「曲ねずみ」(作物)

 

♪ 三味線の楽器解説♪

<みんなで地歌を歌おう>ほか

 

出演:

富山清琴氏[人間国宝 地歌・三絃]

富山清仁氏[地歌・三絃]

たむらひろし氏[暗闇プロデューサー・ファシリテーター]

奥田敦子氏[(公財)墨田区文化振興財団 学芸員]

http://www.triphony.com/concert/20141005topics.php

 

 

暗闇の音のキオク×富山清琴[人間国宝 地歌・三絃] (1)

 

すみだトリフォニーで体験する「北斎感覚」

《残月》(歌・三弦:富山清琴、富山清仁)約11分

18世紀末から19世紀初頭に大阪で活躍した地歌三味線奏者、峰崎勾当(みねざきこうとう)が、夭折した門下生の娘を偲んで作ったといわれている追善曲。曲の途中に「手事」と呼ばれる間奏が設けられた「手事物」の代表曲であり、ここでの三弦によるしみじみと月の光を思わせるような旋律は聴き処。なお文豪・谷崎潤一郎もこの曲がお気に入りで、特に初代富山清琴の演奏を愛したという。

 

《三吉》 (歌・三弦:富山清琴)約10分

文楽のレパートリーをとりいれた「浄瑠璃物」の代表曲。近松門左衛門の作品を下敷きにした、『恋女房染分手綱』「重の井子別れ」の段における、母と子の悲しい別れの場面。名家ご息女の乳母「重の井」は、かつて手放した子「三吉」と十数年ぶりに再会するも、結局は主君への忠義から、三吉に親子の名乗りを許さなかった。なお、文楽の54の名場面を、その聴き処と共に北斎の挿絵で紹介した1815(文化12)年刊の『絵本浄瑠璃絶句』にも同場面が描かれている。

 

《曲ねずみ》 (歌・三弦:富山清琴、富山清仁)約20分

語り口調的な浄瑠璃音楽の様式を取り入れ、地歌を伝承していた盲人たちが座興の場で、仲間内で楽しむために作った「作物」(動物を擬人化したり、人物の挙動を茶化したような滑稽な歌詞が多い)を代表する曲。屋根裏に住む鼠たちが夜、台所や茶の間に降りてきて大騒ぎするが、大猫に襲われて急いで逃げ帰るという内容。同じ話の《荒れ鼠》に、三弦の技巧をより駆使した聴かせ処が加えられて成立。鼠たちの様子や鳴き声を模した表現に富み、途中には「手事」も設けられている。なお、北斎の好奇心と描写力が生んだ「素描」の百科事典ともいえる絵手本『北斎漫画』(2014年は刊行200周年)にも、活き活きとした鼠たちの姿が描かれている。

 

江戸時代の薄明かりの中で

かつてこの界隈に住んでいた

天才絵師が耳にしたかもしれない音楽に

身を委ねるスペシャルなひとときを。

(東端哲也・ひがしばた てつや氏/ライター)

 

芸術の秋を秋の名月に照らされながら

感じてみてはいかがでしょうか☆

 

(c)2009 SUMIDA TRIPHONY HALL

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