都会的なもの、先進的なものが注目されがちな中で
田舎の日常風景を撮影しつづけた写真家の
個展が開催されます。
◆ 写真家がカメラを持って旅に出た 北井一夫「村へ、そして村へ」 ◆
会期:2021年4月1日(木)~6月30日(水)
時間:10:00~19:00
※最終日は16:00まで
※会期中無休
会場:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
東京都港区赤坂9丁目7番3号
東京ミッドタウン・ウエスト
作品点数:四切サイズ・約30点(予定)
入館料:無料
北井一夫氏は戦後日本を代表する写真家です。
人の生活にテーマを置き、時代を的確にとらえた作品は
国内外で高く評価され、現在も国際的に注目を集めています。
今回展示される〈村へ〉は『アサヒカメラ』1974年1月号から
1975年12月号まで、全24回にわたって連載された作品です。
1970年代、日本の意識が急速に都市へと集中していった時代
それと逆行するように「村」という対象を選び
「稲刈りのあと」「湯治場」「雪の中で」「田舎道」「お盆」など
何でもない日常を写した新しい視点は大きな話題を呼びました。
この連載が評価され、北井氏は第1回木村伊兵衛写真賞を受賞しています。
その続編となる〈そして村へ〉は、同誌1976年1月号から
1977年6月号まで連載されました。
1976年には同誌10月増刊として写真集『村へ』が
また1980年には一連のシリーズを再編集した
写真集『村へ』(淡交社)が発表されました。
同作は、その後も編集を変えながら写真集や写真展で繰り返し発表され
現在まで途切れることなく注目されてきた稀有な作品です。
田舎で暮らしたことがない人にとっても
どこか郷愁を感じさせる作品ですね。
まさに写真歴史博物館にピッタな展示会です。
(C) Kazuo Kitai